2018年度1回目の「第26回けいはんな子ども科学キャンプ」を8月17日、18日、19日の2泊3日、参加者30名で開催しました。
指導者としては、当協会のスタッフ13名に加え京都大学医学部大学院、滋賀医大大学院、奈良先端科学技術大学院大学から外国人留学生7人(それぞれ出身はブルガリア、パラグァイ、イエメン、インドネシア、エチオピア、アルバニア、エジプト)と高輝度光科学研究センターから参加してくれました。
今回2018年度として実験を新しくしました。
より科学のベイシックな指導に力を入れて、11種類の実験を考えました。
難しい理論をより分かりやすく楽しく学習できるように工夫しました。
第一日目は正午から保護者同伴で開会式を開催。
当協会理事長からPISAの話があり、このキャンプは日常生活において目にする現象になぜ?どうして?と科学の基本に目をむける習慣を育む機会であることについてお話ししました。
その後キャンプのオリエンテーションでは、このキャンプは第一に他では体験できない実験を11コマする、第二には三日間外国人留学生と共に過ごしコミュニケーションをはかる、第三には初めて会った友達とホテルに泊まる経験が出来るという有意義な時間を元気に最後までやり遂げましょうと説明。
その後ホテルの部屋を見学して親子で確認しました。
その後3階の実験室に移動し1コマ目。
アイスブレイクに始まり、実験①「磁石の物性」で磁性体の3つの性質を3つの実験で確かめました。いっぱい実験をして楽しく過ごしました。
この時間はキャンプの最初の実験なのでぺアレンツタイムとし、保護者の皆様に参観して頂きました。スタッフ一同大変嬉しく思いましたのは90分の実験時間ほとんど全員最後までご参加いただいたことです。
保護者の皆様、狭い部屋で熱心にご参観頂き有難うございました!
実験②「食物消化のメカニズム」
毎日おいしくお食事をしたりおやつを食べると、私達の体の中でどのように変化して血液や筋肉に変わるのかを調べました。
それを実験で確かめました。
その後天の川に移動し、カウンセラー達のお国紹介が始まりました。
Christina がアラビア半島にあるイエメンの話をしてくださいました。
治安の悪い国の印象がありますが、美しい景色や豊富な食生活のお話でした。
次に久し振りに参加して下さったMengistuのお国はエチオピアで、アフリカの広大な国の話です。
次にChristinaのご主人Mahmoud はエジプトの話で、おなじみのピラミッドやスフィンクスを詳しく教えて下さいました。
二人の結婚式の写真も見せて頂きました。たくさん質問もしました。
やっと夕食の時間です。
一生懸命実験したのでお腹がペコペコでした。
ご馳走が一杯でとても楽しくおいしくいただきました。
食後は実験③「浸透圧とは何か」
私達が日頃サラダを食べるときに見ている現象。
高度な科学の基本を学んで、自分の目で確かめました。
8時30分、全員疲れも見せず元気にホテルの部屋へ移動しました。
スタッフは就寝時間までに各部屋を2回廻って困っていることがないか尋ねました。
2日目18日6時半に起床し7時からレストラン「ライン」で全員そろって朝食。
和食と洋食充実したメニューで親しくなった友人達と楽しく頂きました。
朝食後ホテル前で集合写真の撮影をして実験室へ移動しました。
④「構造物の強度」
建物などの強さはどのようにして測るのでしょうか?
難しい物理の勉強をとても分かりやすく学んで測定したデータをグラフにしました。
休憩しておやつを頂きました。
実験⑤「化学反応の仕組み」
次に「天の川」でハンバーグのおいしいお弁当を頂きました。
みんな親しくなっておしゃべりしながら頂きました。
次はこのキャンプの他では体験出来ないプログラム「ラウンドロビン」が始まります。
これは5人ずつ6つのグループに分かれて担当の外国人留学生の指導でテーブルを順番に巡回して実験します。
6回でバラエティーに富んだ6つの実験を体験します。
ここからはラウンドロビンの6種類の実験。
⑥「顕微鏡試料の作成と観察」
自分で実際にプレパラートを作る。自分で顕微鏡の操作を実践する。この二つを必ずできるようになることです。
科学は目で見えない微小なものや巨大なものを探索する楽しみであることを学びました。
⑦「食べ物のpH、糖度、塩分を測定してみよう」
日常食べたり飲んだりしている食べ物にそれぞれどれぐらい含まれているか測定器を使って測ってみました。
普段思っているのとまるで違っていたりしました。
またこれらの測定値は何に利用されているか、それぞれにどんな意味があるか話し合いました。
⑧「光の波動と干渉」
光の進む方向について学ぶためのいろいろな実験をしました。偏光板も観察しました。
⑨「電気抵抗と温度の関係」
マルチメーターを使って金属と半導体の電気抵抗値を比較しました。
グラフに記入して話し合いました。
⑩「クロロフィルの吸収スペクトル測定」
吸収スペクトルの測定器を使用して観察。
自分で資料を作って測定しました。
グラフのデータでいろいろ話し合いました。
⑪「お湯の冷め方とニュートンの冷却則」
お湯が冷めるという現象は毎日のように目にしますが、それをニュートンの法則で学ぶというここでしかできない実験です。
以上⑥~⑪は2日目午後と3日目10時まで続きました。
6時から楽しく夕食を頂きました。
その後「天の川」で4人のカウンセラーのお国紹介がありました。
まずDoina は民族舞踊を素晴らしく優雅に踊って見せて下さいました。
その後みんなで踊りました。とても楽しいひと時でした。
また南米のパラグァイ出身のJuan から、スペインに征服されるまでにもともと住んでいたグアラニー人とは今でもお互いに良い関係を保っていて、言語も宗教も両方が上手く調和しているというお話がありました。
チーフカウンセラーのDesi はヨーグルトでおなじみのブルガリアの紹介です。
研究中の耳鼻咽喉科の話、世界で一番小さな骨について話してくれました。
また脳外科のお医者様Dhito はインドネシア出身で、幼少の頃を日本で過ごされたそうです。
国土はたくさんの島から成り立っています。
長い、長い一日でしたが元気にホテルに帰って休みました。
最終日は6時20分に起床して、チェックアウトの準備をして昨日同様1階のレストラン・ラインで朝食をおなか一杯いただき、実験室に移動しました。
全部の実験を終了して、最後の実験について担当スタッフ、カウンセラーとグループの5人の仲間で実験についてディスカッションしてまとめ、全員が担当を決めグラフやその他の資料を作成して、保護者や参加者全員の前で実験の内容を発表出来るように考えました。
11時半から12時まで保護者やスタッフ一同の前で一人一人1分間発表しました。
その後修了式。
修了式には「京都山城教育局 学校教育担当 指導主事」が視察にお見えになりました。
ひとりひとりグループ担当のカウンセラーから修了証が手渡されました。
彼らは皆「子供たちからパワーをもらった。活発な質問があり聡明で、好奇心いっぱいの素晴らしい子供達と過ごせて自分たちがいろいろ勉強になりとても楽しい3日間を過ごせて感謝している。次回も是非参加したい」とコメントしました。
キャンパーの皆さん、事故や病人もなく30人揃って修了証を授与されおめでとうございました。
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